意味:(時間、お金、空間、解釈などの変更の) 余地、余裕、融通
文脈によっては「交渉の余地」「弁解の余地」「時間の余裕」「変更の余地」「柔軟性」などを含め、さまざまな日本語訳が考えられます。
room は可算名詞と不可算名詞両方の使い方がありますが、この表現では不可算名詞です。
決まった1つの日本語訳はなく、文脈に応じて異なる日本語に訳す必要がある表現です。
英英辞書の定義は以下のとおりです。
wiggle room
if someone leaves themselves some wiggle room, they do or say something in a way that allow them to change it later
Longman Dictionary of Contemporary English
wiggle room
the possibility of changing your plans or decisions in order to achieve what you want or to suit a different situation
Longman Business Dictionary
wiggle room
the freedom or opportunity to do something, or to change your mind and do something differently if that is what is needed
Cambridge Dictionary
「後で変更できるような余地や余裕、柔軟性」というイメージを持っているとわかりやすいと思います。
Youglishで調べてみると、ビジネスシーンやスピーチなどでも広く使われているようです。
私がこの表現を初めて聞いたのは、ホワイトハウスの記者会見の動画でした。
民主党が提案している新型コロナウイルス対策法案に、共和党は予算規模が大きすぎると反対しているというなかで、記者が報道官に以下のような質問をしました。
Is there any wiggle room on that number?
この数字に変更の余地はありますか?
これから民主党と共和党が意見をすり合わせる協議をしていくので、交渉の余地はあるのか、どのくらい融通がきくのか尋ねたという場面でした。
例文をいくつかご紹介します。
There is more wiggle room in negotiation than we think.
交渉では、私たちが考えている以上に話し合いの余地がある。
The budget we got for the project is not as much as we wanted. They did not allow any wiggle room in case there are unexpected expenses.
そのプロジェクトには希望していたほどの予算はつかなかった。予期せぬ出費に対応する余裕のある予算は認めてもらえなかった。
ちなみに “wiggle” には以下のような意味があります。
動詞:
(自動詞) 小刻みに動く、上下 (左右) に揺れる
(他動詞) を小刻みに動かす、を上下 (左右) に揺らす
名詞:
小刻みな動き、ぴくぴくさせること
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